1. 概 要
動物は,その複雑な特性を持った身体を用いて運動を行う際,全ての運動制御の情報処理を脳という中枢だけで行っているわけではなく,脊髄などに存在する,ある程度独立した神経モジュールを複数用意し,これらの相互作用によって制御を行うという,自律分散的制御方策を行っていることが明らかになっています.このような分散的制御を採用することによって,複雑・多様かつ動的な環境に対して,素早く柔軟に適応した運動を実現することができます.この研究では,このような生物の知能をロボットに適用し,知的な行動の可能なロボットの実現を目指して研究を行います.
2. 手 順
以下の手順に従って研究を進めています.
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1) |
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CPG (神経振動子) を用いた蛇ロボットの自律分散的制御方法に関する理論的検討 |
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コンピュータシミュレーションによる評価・改良 |
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3) |
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実ロボット (既存) への適用による実験 |
馬研究室で扱っている様々な生物型ロボットのうち,ヘビ型ロボット (Fig. 1) を対象とし,このロボットに対して,CPG と呼ばれる神経モデル (Fig.2) を導入することによって自律分散的制御を実現することを目指します.
(a) 実機ロボット |
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(b) 簡単なモデル |
Fig.1 ヘビ型移動ロボット
Fig.2 神経振動子 (CPG: Central Pattern Generator)