現在様々な分野でロボットが利用されています。しかし、一般に言われているような工業用ロボットでは、自由度が6未満(つまり、関節数が少ない)であるため、多数の機器が混在するような空間で障害物を回避するということができません。これに対して、象の鼻のような自由度の高い多関節のロボットならば、マニピュレータ全体の姿勢制御により障害物回避が行いやすくなります。
ところが、多自由度のマニュピレータを工業用ロボットと同じような作りにしてしまうと、マニュピレータで扱える物体の重さがほんの少しになってしまうという問題点が出てきます。それは、工業用ロボットのほとんどが関節にアクチュエータ(モータ)を装備しているため、単に関節を増やすだけではマニピュレータの重量が増加してしまい、それを駆動させるためには大出力のアクチュエータが必要となってしまうからです。
そこで、この研究では、アーム重量の増加を防ぐためにアクチュエータをマニピュレータの土台部に集中的に装備し、ワイヤによって伝達駆動させるという方法で、象の鼻のように多くの関節を持つ超多自由度ロボット・マニピュレータを開発し、その特性を生かした制御方法の研究などを行っています。